「......ね、佐伯」
「ん?」
「...ずっと、なにしてたの?」
「えっ!?」
「“準備”って...もう終わったんでしょ?」
「...ああ、うん。まあ.........」
あたしは、真っ直ぐ佐伯を見つめながら質問した。
だけど、佐伯はあたしと目を合わせようとしない。
むしろ、逸らしてる感じ。
「...佐伯?なんで目逸らすの」
「やー...ははは」
「笑ってごまかさないでよ」
「.........なあ」
「?」
「......」
あたしに呼びかけたあと、ちょっとしてから佐伯はおもむろに立ち上がり、あたしの目の前にしゃがみこんだ。
「...佐伯?」

