......北原くんは、佐伯の“母親”みたいな存在だな。 「...母親」 その言葉を自分から考えてしまうのは、少し間抜けだった。 “母親”という言葉には、いい思い出がない。 「────到着ーっ」 いつの間にか屋上に到着しており、佐伯が重たいドアを開ければ、風がすぐあたしの隣を走っていく。 「いいなー、この場所」 「優翔、屋上好きだもんな」