「...」 「......」 「...」 北原くんは、全然口を開かない。 どうしたんだろう。 なにか言いにくいことなんだろうか? あたしは気を遣って、なにも言わないまま歩き続ける。 「......高校のときさ」 「うん」 やっと口を開いた北原くん。 「俺、梨咲乃といて楽しかったよ」 「...なに?いきなり...」 「翔真、梨咲乃のこと好きじゃん?」 「う、うん...」 「俺、翔真が梨咲乃に告白する前から、そのこと知ってたんだ」 「...まあ、そうだろうね」