「────じゃあ、佐藤さん。お先に失礼しますね」 「はーい、お疲れさまー」 仕事を終え、図書館を出てみると夜風があたしを出迎えた。 午後6時の今、空は薄暗く、向こうの辺りは藍色に染まっていた。 「...だんだん、冬に近づいてきてるんだね」 「そうだな...」 「ねえ」 「?」 「久しぶりに、高校の前通っていかない?」 「...賛成!」