夢を見た。 佐伯が、目の前にいる夢を。 あたしに笑いかけてる夢を。 「...梨咲乃」 「なに?」 「...今日、一緒に帰らない?」 「......いいよ」 「...言いたいことがあるんだ」 「言いたいこと?」 「うん...」 「...今日、よくあたしの名前呼ぶよね」 「え?」 「北原くん。さっきから、あたしのこと呼んでる」 「ごめん、嫌だった?」 「ううん、そういうのじゃないよ」 「ごめんな」 「......いいよ」 謝る北原くんの横顔は、少し切なく見えた。