「......」 「...」 あたしと佐伯は、久しぶりにしっかり目を合わせた。 だけどなにも話さなかった。 「さ!写真撮ろうぜー!あ、ごめん。写真お願いしていい?」 北原くんが、たまたま前を通りかかった生徒を捕まえた。 その子は北原くんから預かったカメラを構えて、レンズをあたしたちに向けた。 「ほら!お前らもっと笑って!最後なんだからな」 「......うん」 「おう」 「いくよー。ハイ、ピース」 合図のあとにカシャっと聞こえたシャッター音。