佐伯と連絡を取ることは、1月のあの夜が最後だった。
“2人で会うのはこれが最後”と約束はしちゃったけど、“連絡は取らない”とは約束はしていない。
でも、...メールや電話なんて、出来なかった。
携帯のアドレス帳を開くたびに、“佐伯 翔真”という文字を見て
その度に胸がズキズキと痛んだ。
「───梨咲乃ー!連れてきたよー」
「...」
数分してから、北原くんが佐伯を連れてきた。
冬休みがあけてから、佐伯とは学校で何度も会ってきたのに。
佐伯の姿を見て、涙が出そうになった。
目なんて、あんまり合わなくて。
お互い、どこか距離を置いていた。

