月日が経つのは、本当にはやいもので。 いつもあたしを置いてけぼりにしていくんだ。 「───卒業生の皆さん、おめでとうございます!」 大きな体育館に響き渡る、在校生たちの祝福の言葉。 今日は、卒業式。 体育館の窓から見える、薄いピンク色の桜も、まるであたしたちを祝福しているような。 3月1日。 きっと、皆の一生のうちで一番記憶に残る日なんだろう。 「僕たちは、先輩の背中を見てきました。今度は...」