「───おばさん、お風呂先に入っていいよ」
「お、ありがとー。お言葉に甘えちゃうねー」
「うん。疲れてるでしょ?」
「まあね...。毎日、外国人と話して...。あたし、ちゃんと日本語話せてる?」
「うん。あ、でも...ところどころイントネーションが違う...かな?」
「やっぱりねー...。あー、あたしは日本人なのにーっ!」
「嘆いたって仕方がないよ。おばさんが選んだ仕事なんだから」
「......勉強になります、先輩」
「!?」
「ねえねえ、ところで先輩」
「...なんですか?」
“先輩”という呼び名に違和感を覚えながらも、おばさんのノリにのってしまった。
「梨咲乃先輩は、彼氏はもう出来ましたか?」
「...え?」
前置きのなかった質問に、あたしは少しだけ戸惑った。
なぜ、今その話題に?

