「...翔真が言ってたんだけど」 「...なに?」 暗いのであまり表情は見えないけど、北原くんが今、言い出しにくいような顔をしていることは、声のトーンでわかった。 なんとなく、気まずい空気が流れる。 「...いや、翔真には言うなって言われてるんだけど...どうも俺が気になって」 「...うん...」 「......もしかしたら、なんだけどな?」 「...」 「.........翔真の母親と、梨咲乃の言ってる人...一緒なんじゃないか、って......」 「!」