「梨咲乃!」

「...北原くん」





教室に到着したと同時に、背後から聞こえたのは北原くんの声。

振り返ると、いつもの綺麗な髪の毛を揺らして、こちらに近づいてきていた。





「はよ」

「...おはよ」

「...寝不足?顔色良くないけど...」

「......」

「そういえば、翔真遅いな」

「......」







そっか。北原くんは知らないんだ。