カバンの中を確認していると、やっぱりあった。 「はい。今貸すよ」 「え、歴史のノート?」 「うん。なんとなく持って帰ってきたの」 「そっか!ありがとなー」 貸したノートを手に持ち、安心したようにお礼を言った。 「じゃあな」 「......」 佐伯の口から出た、別れの言葉に なぜか胸の辺りがギュっとなった。