チラリと佐伯を見ると、先生に見つからないようにお弁当を食べていた。

教科書を立てて、ノートをとりながら。










やがて授業が終わり、先生が教室を出て行った。




「翔真、お前弁当食ってたろ」

「おう!なんか、授業やってたら腹減ってきたから」

「...もう、なんかすごい自由人すぎて逆にすごいよ、翔真」

「はは」







佐伯たちの会話を耳にしながら、あたしはお弁当を広げる。

...とは言っても、机の上に置いた食べ物は野菜だけ。
実際、お腹なんて減ってないし。