パシン!と、音が教室中に響いた。 すでにお弁当を食べていた他の生徒が、何事かとこちらに視線を集中させている。 その視線に我慢出来ず、なぜかあたしは教室から逃げ出してしまった。 背中から聞こえる佐伯や北原くんの呼びかけには振り返れなかった。 「......っ」 たどり着いたのは屋上だった。 青い空が頭上に広がっており、いつもと変わらない風が吹いている。 どうしてだろう、身体が震える。