「なーに?瑠香、大きな声出してー!


そんなにでっかい虫でも出てきたの?」


お母さんがドアから顔を出した。


「とりあえずお母さん見てみて!」


私は内心ウキウキしていた、何故か知らないけど。


お母さんは部屋を見渡し、そしてもちろん奴のことも見た。


しかし、お母さんに反応は全くない。


え?どうして?



そしてお母さんは信じられないことを言った。


「もー瑠香ったら!どこにもなにもいないじゃない!



意地悪しないでよねー、もー!」


お母さんはプリプリ怒りながらリビングへ帰っていった。


え?え?え?え?どういうこと?


意味わかんない?なんでお母さんにはこいつの姿が見えないの?


そういたら、奴が優しい声で言った。


「今から言うことは全て真実だが、信じられない部分もあるのだろう…


だから、まずは俺を信じろ。」


奴の緑色の瞳が私にまっすぐ向けられている。


私はその瞳に見つめられ、「ううん。」とはいえず、


結局「分かった」と言ってしまった…