「でもさ、W大学目指してみたらどうだ?


結構いい雰囲気の大学だし、お前にも合ってると思う。」


いい雰囲気なのは、分かったよ…


行きたいって思うよ…


でも…でもね…


大学で偶然誠と合うかもしれない…


そう思うと、どうしても目指す気になれないんだ…


私の勝手なワガママだけど、ごめんね。


「うーん、ちょっと考えてみる。」


考えた挙句、そう言うことにした。


「ふーん、そうか。」


お兄ちゃんが私の心の中を探るように言った。



お兄ちゃんは私がどう思っているのか知りたいのだろう。


ごめんね、お兄ちゃん。


「ていうか、お兄ちゃんはどの大学目指してるの?」



気まずくなりそうだったから、話題を変えた。