ただ一緒に

でも、やっぱり信じたくない自分がいたの。


「俺は賛成だ。


あんな男のいるこの街から今すぐにでも出たい。」


お兄ちゃんはそういうと思ってた。


「良太の意見は分かった。


瑠香はどう?」


お母さんは戸惑いながらも、私に聞いてきた。


どうしようか…


お兄ちゃんと同じように、こんな街に居たくない、そういう思いはある。


けど…やっぱり、由美や里花のことは放っておけない…


「お願い。


もうちょっと待って。」


私がそういうと、すぐさまお兄ちゃんが怖い顔でこう言ってきた。


「お前…前もおんなじように言ってたよな。


いつになったらその『もうちょっと』が終わるんだよっ!


そんなにのんびりしてたら、あっという間にあいつが来るぞ!!」



これはお兄ちゃんの心の叫びだ。


お兄ちゃんは家族で幸せに暮らせる道を歩もうとしている。


その幸せを壊そうとしているのは、ほかでもない私だ。