ただ一緒に

すると、一番後ろの席に座っている人が、私たちのところに来た。


「もしかして…お前…」


この声…あの…あいつの…


なんで…なんでお前は…いつも私が誰かといるときに来るの?


私はあいつの顔を見て、冷たくこう言った。


「はい?人違いではないでしょうか?」


隣で誠がまるで不思議なものでも見るかのように、あいつを見ている。


そうだよ、こいつは知らない人。

   . . . . . . .
ただ、血の繋がっているだけ。


「人違いなわけないだろう!お前!聞いているのか!」


あいつの声の後ろで、車内アナウンスが流れた。


あっ、もう降りなきゃ…


「降りよう。」


私は、そう言って誠の腕を引き、ちょっと強引にバスを降りた。


後ろで、あいつが何か言っていたが、私を追ってこなかった。


ただ、出ていくときに、あいつは笑っていた。


そう、悪魔の笑みで…


そういえば、誠…


「ごめん、誠次の次に降りる予定だったよね…」


「いやいや、いいよ。なんか瑠香ひとりじゃ危ないし…


ほら、さっきみたいな人がいるかもしれないじゃん?」