ただ一緒に

「足元、ご注意ください!」


アルバイトらしき女の人に元気な声でそう言われながら、私と誠は観覧車に乗った。


「わぁー、綺麗!」


窓から見る景色は、乗り物がさまざまな色にライトアップされていて本当に綺麗だ。


「そうだな。」


誠も共感してくれるぐらいにね。


「ていうか、誠ってば『だな』多すぎ!」


「えっ?そうか?」


「そうだよー」


観覧車の中は、ちょっと声が響くなぁ~。


「………………」


「………………………」


その分、無言だとめちゃくちゃ気まずい…


何話せばいいんだろう…


先に沈黙を破ったのは、誠だった。


「瑠香は……」


「へっ?」


急に名前呼ばれたから、ちょっとびっくりしちゃった。