ただ一緒に

そんなネガティブなことを考えていると、二人とも、リビングに戻って来て、椅子に座っていた。


「まず、良太に話さなきゃいけないこと。」


お母さんの表情がもっと険しくなった。


「今日ね、お父さんが家に来たの…」


そうお母さんが言ったとたん、お兄ちゃんの顔が険しくなった。


「『お父さん』ってあいつだよな!!


あいつはこの家の場所、知らなかったんじゃなかったのかよ!!!」


お兄ちゃんは、私と同じような反応をした。


「ごめん…私が悪いの…


偶然バスで会って、その時GPS発信器を鞄の中に入れられて…」


お兄ちゃんは私の話を聞き、慌てはじめた。


「ごめん…瑠香が悪い訳じゃないんだ。


そんなこと言ってごめん…」


お兄ちゃんが謝ってきた。


そんな…お兄ちゃんは悪くないのに…