ただ一緒に

「良太…」


お兄ちゃんの明るい顔とは違い、お母さんが、真剣な表情で言った。


「何…?」


お兄ちゃんがちょっと低い声で言った。


さすがにお兄ちゃんでもお母さんの表情から、


真面目な話だと気付いたんだろう。


「良太、瑠香、聞いて欲しい話があるの…」


え?私も?


「まあ、とりあえず座ろう!


ほらほら、お母さんもお兄ちゃんも座って!!」


私はそう言って、二人をリビングの椅子に座らせた。


「長い話になると思うから、


お茶、用意しておくわね。


良太も、制服脱いで、着替えてらっしゃい。


あと、鞄も部屋にしまってきなさい。」


「はーい」


リビングには、私一人になる。


一人になると、どうしてもいろいろなことを考えてしまう…


なんでお母さんは、私までお話しなきゃいけないことがあるの…?


『さっきのこと』を、お兄ちゃんに伝えるだけじゃないの?