GPS発信器…


確かにバスに乗る前よりも、鞄が重くなったような感じがしていた…


でも、「そんなことないよね~」と思って、鞄の中を見なかったんだ……


なんであの時、鞄の中を見なかったんだろう…


見ていたら、こんなことにならなかったのに………


「お金なら持ってないわ!!!


帰ってちょうだい!!!


今すぐ帰って!!!」


お母さんがお父さんに向かって狂ったように叫ぶ。


お母さんのこんな声、聞いたことがない…


それほど、私達の人生に関わって欲しくないんだろう…


「おいおい、そんな怒るなって…


今回は、見逃してやるけど、次は容赦しないからな~


覚悟しとけー!!!なーんてな。わはははっ」


あいつは、また不気味な笑顔で私達がいるほうを見た。


嵐が去ったような感じだった。