バスがバス停から去っていった。


バスの中にいたお父さんは不気味な笑みを見せながら、私を見ていた。


その姿は、悪魔そのものだった。


「瑠香…」


「大丈夫…?」


由美と里花が私の近くに来た。


「ごめんね…、


なんか変なことに巻き込んじゃって……」


それより、これから巻き込む確率が高いだろう…、


二人の顔もお父さんに見られたから…


「大丈夫よ!」


由美は笑顔で言ったが、


「それより、瑠香は大丈夫!?」


やっぱり里花は心配性だ。


「もちろん、大丈夫よ!!」


笑顔で言ったつもりだが、


上手く笑えていただろうか…?


そして、二人は、私に何も聞いて来なかった。


それが、二人なりの優しさなんだろう、


きっと……