ただ一緒に

「違います。


人違いしてるんじゃありませんか?」


目の前にいる人に向かって、冷たく言った。


里花や由美が何か言いたそうな顔をしていたが、


思わず気持ちがぶれてしまいそうになりそうだから、無視した。


私達が大声を出していたので喧嘩かと思われたのか、車内がざわついた。


車内アナウンスが流れ、次で降りると知ったので、


私はかまわず近くのボタンを押した。


「瑠香なんだろ!?そうだろ!?


おい、返事をしろよ!!」


お父さんが荒々しく言い、私の腕を掴んだその時、


バスが止まった。