「とにかく今回は、大事にならなくて済んだな。」
「松野のおかげだよ。」
「さすがにビビッたけど。」
「確かに。」
さっきまでの張り詰めた空気は、もうそこには無かった。
「今日は遅くなるよ、私。」
「えっ!何時くらいになるんだ?どうして遅くなるんだ?ご飯は?ひとりか?」
「違うって、演劇祭のために資料探しと衣装デザイン決めるの。学校の図書室で!」
「学校の図書室か。それなら俺が手伝ってやる。」
「いい、青山君が手伝ってくれるって言うから。」
「あの転入生ぃぃぃぃ、抜け目ないな。確かにハナに目をつけたのは褒めてやるが、手を出すことは許さん。」
長くなりそうなので、お兄ちゃんを無視して進路指導室を後にした。


