職員室に藤原先生の姿はなかった。
「さっきまでここにいたんだけどね。」と浅野先生が教えてくれたけど、先生も今の居場所は分からないみたいだ。
「そういえば浅野先生と藤原先生って本当に仲良いですよね。」
萌って本当にミーハー。あえて核心を突かずに遠まわしに聞くところも技ありって感じ。
「同い年だからね。」
お兄ちゃんと同じ答えが返ってくる。2人とも特に付き合ってると肯定も否定もしないわけで、私も実際のところは知らない。
少し目を離すと萌の質問はヒートアップしていた。
「2D森屋ハナ、2D森屋ハナ、進路指導室まで来なさい。」
と、校内放送で流れた。
「ハナ、アンタ何やらかしたのさ。」とあさみが言うけど誰もお兄ちゃんの声だと気づいていないらしい。
お兄ちゃんが呼び出すとしたら、アノことしかない。
重い足取りで進路指導室へ向かう。
「失礼しまーす。」
入るとそこには静かに座るお兄ちゃんがいた。私も向かい側に座っては見るものの一向に話を切り出さないお兄ちゃん。
沈黙の10分が過ぎる頃、いきなり口を開いた。
「とうとうやってくれたな。」


