資料を探していても、いまいち身が入らない。さっき見た光景が頭の中でエンドレスに流れる。
明日どんな顔して萌に会えば良いのかな。
「ハ、ナ・・・」
「先生。」
18時近くになった頃、お兄ちゃんが図書室まで呼びに来てくれた。
「森屋、タクシー着いたぞ。」
「今行きます。」
お兄ちゃんが出て行った後、追いかけるように青山君と図書室を後にした。
「俺、大した役に立てなかったね。」
「そんなことないよ、本当に助かった。」
「それに・・・。」
「ん?」
「いや、なんでもない。」
「そうだ、青山君も乗っていけば?」
その一言に、青山君より先に反応したのは少し前を歩くお兄ちゃんだった。
「森屋、」
「雨なんだから駅まででも。」
「え、いいよ別に。本当に平気。」
断る青山君を見て、タクシーの方へ催促するお兄ちゃん。
「そっか、じゃあね。」
「うん、また明日。」
「ねー。」
私が傘を広げたとき後ろから声がした。


