過保護でごめんな。


帰ってきて一番先にすることがある。「ハナ、手紙来てるぞ」そんなお兄ちゃんの言葉に期待を寄せながら、手紙を確認してみる。しかし、大体は期待はずれのものばかり。塾や通信教材の勧誘、大学からのオープンキャンパスのスケジュール報告、スーツのカタログ。どれもこれも、私の欲している手紙ではない。



一番欲しい手紙は、もう来ない。




『元気にしてるの?ナオと上手くやってるの?変なことされてない?まー、あの子に限っててそれはないだろうけど。』

久しぶりの電話はママの勢いのある質問攻めで始まった。

「元気よ、上手く生活しているし。」

『ナオは?』

「今ご飯作ってくれてる。」

『ああ見えて家庭的なとこあるからね』

「もう切るよ、パパにもよろしくね。また電話して!」

半ば無理矢理電話を切った。


「おばさん?」
返事をする代わりに小さく頷く。

「おばさん元気なの?おじさんは?向こうでの生活楽しいって?」

お兄ちゃんとママは似ている。料理が好きで家庭的なとこ、心配性のとこ、好奇心旺盛なとこ。そして今みたいに質問攻めで私を困らせるところ。娘の私以上に、ママはお兄ちゃんと気が合うらしい。


「パパの話は出なかったけど、2人とも楽しくやってるでしょ。」

「おじさんは、おばさんがいればどこでだって生きられるよ。」

「確かに。」

お兄ちゃんが作ってくれた夕飯を囲みながら、昔話に花を咲かせた。