「あ、」 「その手を離しなさい。」 タイミングよく来たのはお兄ちゃんだった。 「あの先生、昨日助けてもらった人です。」 私の言葉を聞くと一気に表情を変えたお兄ちゃん。 「あ、うちの生徒だったのか!」 「いや今日転校して来て。」 小声で「だれ?」と尋ねてくる青山君。 「藤原先生。」 「あ、どうも。」 お兄ちゃんはチャイムが鳴るまで、私たちのそばを離れなかった。なんで昨日会ったときに、うちの転入生だってことをお兄ちゃんは気がつかなかったんだろう。