休み時間すぐに転入生の席に行った。色んな人が群がっていて話しかけづらい。
「あの・・・ちょっといいですか?」
「あ、あのときの!!!」
再会した私たちは廊下のベンチに腰を下ろした。
「先日はありがとうございました。」
今目の前にいる人こそ、痴漢騒動のとき助けてくれた彼だった。
「いいって別に。あれから電車は大丈夫?」
「今はタクシーで来てて。」
昨日の一件でお兄ちゃんがひどく心配した。とても電車を使わせてくれる状況じゃなかったし、私もまだ怖い。そこで話し合った結果、落ち着くまでタクシーで登校している。
「そうだよな、あんなことがあったんだもんな。」
「お礼言いたかったし、また会えて良かった。」
「友達なんだし、もう気遣うのやめろよ。」
「はい。」
「名前なに?」
「森屋ハナです。」
「よろしく。」
彼が差し出した手を握り握手を交わした。
そのときわざとらしい咳払いが聞こえた。


