過保護でごめんな。



押し寄せる人波に乗りながら、ギュウギュウ詰めの満員電車に乗った。


車内は蒸れている。スクールバックを申し訳なさそうに前で持った。天井の扇風機が辺りを見渡すように風を送る。



少し進んでは緊急停止信号だと理由付けして止まる。もう停車してから10分過ぎた。首筋に誰かの生ぬるい息が掛かる。耳元ではハアハアと漏れる声が聞こえる。足と足の間には這うように誰かの足がまとわりつく。


すごく嫌な気分だった。でも遅延しているわけだし、かなりの満員電車だったから仕方ないと思った。


そんな状態のままさらに10分が経過したとき、太ももに暖かい手が当たった。寒気がする。その手は徐々に上へ。おしりで止まった。撫で回すようにモゾモゾと手が動く。


声が出ない。こんな思いするなら学校を休めば良かった。涙が出そうだ。


『大丈夫』

うつむいてる私の視界に携帯の画面が入った。
小さく首を横に振る。


『後ろにいるやつ』

今度は小さく頷く。


『たすける』