3歩前を歩くお兄ちゃんの後を追いかけた。2人の間に会話はない。気まずい空気だけが流れる。
お兄ちゃんが口を開いたのは家の最寄り駅に着いたときだった。
「今日の晩飯何にする?」
「え・・・っと、ハンバーグ。」
「ハンバーグか、じゃあ買い物行くか。」
お兄ちゃんは何も聞かない。私が話すまで無理強いはしない人だ。
だから、私はお兄ちゃんに隠し事はできない。
「お兄ちゃん、ごめんね。」
「何が?」
「一緒に謝ってくれてありがとう。」
「いいよ、別に。」
「今日ね、大変なことをしてしまったの。」
「大変なこと?何したの?」
ラベンダーの彼とあった出来事、数学の時間の考え事、全て話した。
「男の袖を掴んだ?」
「はい・・・。」
「ハレンチだ!許せない、どこの奴だ!」
「制服着てなかったんだよね。」
「侵入者か。」
「もうその考え方やめてよね。」
「危ない目に合わなくて良かった。」そう言って、私を抱きしめた。
「ちょっと、やめてよ!!!!!」
お兄ちゃんのお腹をどつく。
「いってぇ!!!」
「お兄ちゃん大っ嫌い!」
「ごめんって、つい。」
「うるさい、着いて来ないで。」
夕飯はハンバーグのはずだったのに、お兄ちゃんの機嫌が良くロールキャベツになった。


