「…ごめん、俺のせいで」


「成宮くんは何もしてないじゃん」


柔らかい笑顔が俺に向けられる。

あの殺気が嘘のように…


「ありがとう」


そう言われて俺は心が暖かくなる。


「もっと頼って…」


そう言って成瀬の頭に手を乗せる。

ちょっとびっくりしたように俺を見た成瀬。

俺には成瀬だけが映っていた。





春の風が俺たちを包み込む。









「…ねぇ、あたしたち孤独だね」