そんなこんなでもう辺りは真っ暗。 「……そろそろ行かなきゃ」 成瀬の顔が暗くなる。 「苦しくなったら電話しろ。 ……早く帰ってこい」 成瀬は無言で頷いた。 「……じゃあ、ね」 そう言って成瀬は歩いていった。 一回も後ろを振り向かずに… 前だけを見つめて。 何回も見てきた後ろ姿だけど今日は放つオーラが強い。 俺は成瀬の後ろ姿が見えなくなるまでその場を離れなかった。