「……誰?」
知ってはいるけど、今は白猫だからね。
一応知らない振りをする。
「僕は双翼の副総長の涼。彼は総長の太陽だよ。まずは君の名前を聞いていいかな?」
「………白猫」
ぽつり、と小さい声で言ったのにしっかり聞こえていたらしい。
涼も太陽も少し驚いたように目を見張った。
「もしかして……あの白猫さん、かな?」
どの白猫だよ。
「その白猫が、何で朱雀を助けた?」
だからどの白猫ですか、とは言えなかった。
太陽の声が低く、あまりご機嫌に聞こえなかったからだ。
さすが全国No.1の暴走族の総長。
殺気もそこらへんの人とは比べ物にならない。
「太陽。気になるのも分かるけど、白猫さんは朱雀の恩人だよ。その殺気しまいなよ」
「そやで〜。それにそんなことしても、下のヤツらがビビるだけで猫ちゃんには全然効いてへんみたいやし」
「…………」
涼と朱雀に言われて太陽は殺気を収めた。
「ごめんね。うちの総長が……仲間思いなだけなんだ」
涼に困ったように言われ、どう言えばいいのか……
「猫ちゃんはそんなん気にせんで。なぁ〜、猫ちゃん?」
朱雀の言葉に私はこくん、と頷くことで同意を示した。


