顔は上げないまま素早くにフードを被って顔を隠す。
この暗闇で私の髪が銀色をしていることがばれなきゃいいけど……まぁ、ばれてても顔が見られなきゃいいか。
「猫ちゃん……?」
「おぉ。ワシの恩人やねん」
「へぇ……」
……さっきの扱いは恩人に対するものにしては酷くないか?
じとっ、とした視線をフードの下から送るが、そこまでするか、と言いたくなるぐらい綺麗に無視された。
「はぁ……」
これは何をしても無意味だな。
もう何度目になるか分からないため息をこぼして立ち上がる。
「あれ、猫ちゃんどこ行くん?」
「決まってるでしょ。帰る」
面倒ごとはまっぴらだ。
「えぇー、ちょっと話してこうや」
「いっぱい話したでしょう」
「ワシとやなくて、ここにいるヤツらとやって!」
「いや」
そんなことしたらばれる確率が上がっちゃうし。
自らそんな危険なことをする趣味はない。
君子危うきに近寄らず、だ。
「お願いやで、猫ちゃん」
「無理」
しゅん、として私を見るけどそんな朱雀をバッサリ斬る。
同じポーズでも絶対に莉都のが破壊力あるし。
「二人で話しているところ悪いんだけど、ちょっといい?」
そう言って話に入ってきたのは涼だった。


