「っちょ、何?」
朱雀は首元に顔を近づたり、髪に近づけて何やらしている。
はっきり言ってくすぐったい。
「朱雀!?」
「ちょっと我慢してな〜」
「我慢って……」
無理矢理にでも止めさせたいのはやまやまだが、両手を捕まれていて出来ない。
だからと言って怪我人に手を上げるのは躊躇われる。
少し考えた結果、黙って待つことにした。
しばらくすると朱雀は顔を上げた。
「いきなりすまんな」
そう思うならするなよ。
「で、今の何?」
多少不機嫌そうに聞いてみる。
「ん〜?……階段降りとるとき、猫ちゃんえぇ匂いしたなぁ思て。何のシャンプー使っとるん?」
「変態手を放せ」
「うおっ。酷い言いぐさやわぁ」
にこやかに笑いながらも朱雀は私の手を放す気がないらしい。
「すまんって〜。そない怒らんといてや」
「怒って欲しくないなら手を放そうよ」
「それはちょっと待ってな」
相も変わらずニコニコしている朱雀に苛つきが積もる。
いったい朱雀は何がしたいんだ。
「ねぇ、本当に放してよ」
「あかんって」
「何で!?」
「それはなー…」


