「何でそんなにワシに優しいん?」
「はぁ?…、て…うわっ」
突拍子のない質問に思わずこけそうになる。
「危なっ……」
「気ぃ付けてや猫ちゃん。ワシ怪我人……」
「朱雀のせいだよ。あほ」
「ひどい……」
器用に泣くまねをする。
……放り出してやろうかな。
「で、さっきの質問の答えは?」
あぁ、あのふざけた質問か。
「私はそんなに優しくないよ」
「答えになってへんし、ワシには十分優しく見えるで?」
「…………」
そんなことを言われても困るんだけど。
本当に私は、そんなに優しくなんてない。
黙ってしまった私を見て朱雀は少し考えているようだった。
「じゃあ質問を変えるわ。何でワシを助けてくれたん?」
「それは、」
何でって……
「……何となく?」
「なんやそれ!?」
いきなり大声を出さないで欲しい。耳が痛い。
「とくに意味なんてないよ。ただ……」
「ただ?」
「ただ……朱雀が気に入っただけ、かな」
カン、と一段目の階段を降りる。
登ったときも思ったけどこの階段急すぎ。
ここで転んで落ちたりしたら笑えない。


