「ぐえっ!?」
あれ、意識を手放しても可笑しくない一撃だと思ったんだけど。
「ぅおらっ…!」
「……!!」
ぜぇぜぇと荒い息ではあるものの自分の足で立ち、なおかつまたナイフを向けてくる鬼塚に少し驚いた。
「…くそっ……はぁ…はぁ…っ………」
「さすが全国No.6の鬼火の総長。でも……」
すっと目を細めながら鬼塚の目を見て、微かな殺気を滲ませる。
「あなたは私の敵じゃない。これ以上怪我をしたくなかったらナイフを下ろしなさい。
これが最後の忠告よ」
「…ぐっ………!」
私は喧嘩をするのが、好きなわけではない。
だからいつも、ちゃんと忠告するのに……そのたび、相手の答えは決まっているんだ。
「だ、誰が聞くか、このマント野郎ぉぉっ!!」
「猫ちゃんっ!!!」
今まで黙って見ていた朱雀の声が聞こえた。
持っていたナイフを鬼塚が投げたからだ。
喧嘩に人質とるわナイフ使うわ、おまけに勝ち目がないと分かったらナイフを投げるってどこまで卑怯なんだ。
あと………
「そのまま当たっちまえぇぇっ!!」
「私は……」
「あぁ?」
ばっ、とマントをとり、向かってくるナイフに向かって投げた。
「はあぁっ!?」
「えぇええぇっ!!?」
何故か後ろからも聞こえるけど…
投げられたマントは見事にナイフを巻き込んで途中で落ちる。


