You are my light




「すごいね……」



素直な気持ちが無意識に口からこぼれた。



「猫ちゃんにそう言ってもらうなんて、光栄やわ」



アイツらにもあとで言わなあかんなぁ、と言う朱雀は嬉しそうだった。


何でそんなに嬉しそうなんだ、と思い、そのわけを聞こうとするとふと何か違和感を感じた。


理解するより早く体が動く。



「朱雀、邪魔」


「は?って、うおぉっ!?」



説明する時間もないので、問答無用で朱雀の襟を掴み私の後ろの方に投げた。


その瞬間キラリと光る閃光がすぐ目の前にの視界に入る。


間一髪でそれを避けたがフードの一部が裂けてしまった。


かな兄と音兄にもらったものなのに。あとで謝らないと。



「へぇ……よく避けたなお前」



目の前には銀色のナイフを手に持ってにやにや笑っている男がいた。



「鬼塚……っ!!」


「よぉ、大路。奥にいないんで驚いたぜ。まさか二手に分かれていたなんてなぁ……想像もしなかったぜ」



こいつが鬼塚、か。


初めて見たけど凶悪そうな顔だなぁ……


しかもこの人、私のことも双翼の一員だと思ってるとか阿呆なのか。


少し考えれば、双翼の人たちに朱雀の居場所がここだなんて、はっきり断定できるかどうかは分からないと思うけど。