2人が顔を互いに見合わせて苦笑する。


過去に、満月に何があったのか。


詳しいことを知っているわけではない。


兄である奏と音でさえも全ては分からない。


2人共、満月に何が起こったのか知りたい、という気持ちもあるが、無理に聞き出すことでもないと思っていた。


満月が言いたくなったときに言えばいい、と……



「ふ……年頃の女の子は大変だね。オレには分からないよ」



諦めたかのようにマナさんは笑う。



「話を聞く限り、オレにも満月ちゃんを止めるのは無理そうだね。せいぜい困ったときは頼りにしてよ。

……昔みたいにね」


「じゃあ遠慮なく。その前に、満月が僕たちを頼ってくれるといいんですけどね」


「同感」



それからしばらく、3人は昔話に花を咲かせていた。