音の言葉を続けるように奏が言った。



「どこ行ってたのさ、奏」


「トイレだよ。トーイーレー」


「……それにしては遅かったね」


「気のせいだ。気のせい」



何事もなかったように奏は音の隣に座る。



「マナさん。満月は俺や音、マナさんが止めても絶対に聞かないと思いますよ」



隣ではそれに賛成するように音が頷いている。



「前に……俺と音が止めさせようとしたとき、満月が言ったんすよ。これはせめてもの罪滅ぼしで償いだ、って……」


「…………」


「これで私のしてきたことが許されるとは思わないけど、自己満足でもいいから何かしたいんだ、って」


「…………」


「そんなこと言われたら、止めたくても止められねぇっすよ」