他の族が鬼火を潰してくれるって言うなら、私はいらないと思ったけど、
「他を待ってて、被害が増えたら困る」
だから、私が行く。
そんな思いを伝えるように私は席を立った。
「その倉庫、どこ?」
「……今から行くの?」
「下見だけ。さすがの私も今日はしないよ」
クスリと笑って音を見た。
「……そうだね。満月は慎重だしね」
「俺と違ってな」
ニヤリと自信満々に言う奏につい笑ってしまう。
「それもそうだ」
音もそんな奏を見て笑ったあとに倉庫のある住所を言った。
「ここから意外に近いんだ」
よかった。あんまり遠いと遅くなるもんね。
パサッ、と外していたフードを被り直して二人を見る。
「行ってきます」
ふわり、と二人の顔をしっかり見ながら笑って言い、私はお店を出て倉庫のある住所目指して静かに走って行った。


