喧嘩を止めてくれてありがとうございます、という意味でマナさんに目配せする。
それに気付いてマナさんはふわり、と笑ってくれた。
「そういえば、この前満月ちゃんが来たときも喧嘩しそうだったよね」
「……いつもすみません」
「あはは、お互い大変だね」
ニコニコと笑って言ったマナさんだけど、その言葉には充分に実感が込もっていた。
……私の知らない昔のかな兄と音兄がお世話になりました。
「あ。今さらだけどその格好、今日の満月ちゃんはお仕事用なのかな?」
「あー、はい。一応……」
「そっか。じゃあオレはそろそろ戻るよ。奏と音も食べ終わったみたいだし」
え、とかな兄と音兄の方を見るとあんなにいっぱいあったオムライスとカルボナーラが綺麗に消えていた。
……速すぎだろ。
「ごちそうさま」
「美味しかったですよ」
「はいはい。お粗末様」


