……正直に言います。


話が半分以上理解不能です。


ただ"双翼"の幹部である莉都より強いってことはその人も幹部の一人かな。


相変わらずしょんぼりと項垂れた莉都の頭を撫でる。



「私は、そのすうくんって人を知らないからなんとも言えないけど、莉都は"双翼"の幹部でしょ?その莉都より強いなら心配いらないと思うよ?」


「ほんとっ!!?」



ガバッと顔を上げた莉都と頭をぶつけそうになるが紙一重でかわす。


冗談抜きで今の危なかった。



「そうだよね……すうくん強いもん!!」



うん。いつも通りの莉都だ。元気になってよかったな。



「ありがとう、みぃちゃん!ボク、元気出た!!」


「どういたしまして」


「ボク、蒼くんたちにも大丈夫だって言って来るね!!」


「うん。行ってらっしゃい」



そのまま莉都は走って行ってしまった。


多分屋上に行くんだろうな。


嵐のような一時だった……



それにしても、



「すうくんってどんな人だろう……?」



それが分かるのはもう少し先のことだった。