「涼、なんであいつの肩を持った」



一人、太陽だけ機嫌が悪そうだ。



「仕方ないでしょ。満月ちゃんが嫌がってたんだから」


「…………」


「僕たちに利益はあっても、満月ちゃんにはない。嫌がるのも無理はないよ」



涼は相変わらず楽しそうだ。



「それで、お前は諦めるのか」


「まさか。太陽が諦めないなら僕も諦めないよ」



太陽と涼はニヤリと笑いあう。



「何か考えがあるんだな?」


「そこはなんとも言えないな。まだどんな感じでいけばいいか思いつかないし。
……でも、どうすれば満月ちゃんが姫になってくれるのかは予想がつくよ」


「え!!涼くん、何か考えがあるの?」



言い合いをしていたはずの莉都が、いつの間にか涼の話の中に入ってきた。


そして、キラキラした莉都の目を見ながら、涼は恐いくらいニッコリ笑って言った。



「簡単だよ。何か理由を作って満月ちゃんが姫になることで利益が生まれるようにすればいい。そうすれば、満月ちゃんは姫になってくれるよ。きっと、ね……」



涼の恐さを再確認した瞬間だった。