「別に私じゃなくてもそんなのやりたいっていう人はたくさんいるでしょ?姫にするのなら、わざわざ私に頼まなくてもいいんじゃない?」



それに、私は乗り気じゃないし。


そう言うと太陽だけじゃなく、莉都も蒼介までもが驚いた顔をしていた。


だから私は珍獣か。



「本題も終わったし、これで私のいる意味もないよね」



帰るために扉に向かうが、



「……放して」



私の手を太陽が掴む。



「理由を言え」


「今言ったでしょ」



真っ直ぐ太陽の目を見て言う。


太陽も私を真っ直ぐ見ていた。


その目を見れば分かる。


この人、諦めるつもりないな。



「涼。説得して」



太陽を納得させるのは無理だと感じたので涼に助けを求める。



「……放してあげなよ太陽。満月ちゃん痛そうだよ」



涼に言われてやっと手を放してくれた。



「みぃちゃん…ボクたちのお姫さまになってくれないの……?」