莉都を見ているとコホン、とわざとらしく涼が咳払いをした。
「莉都。満月ちゃんになつくのはいいけど、今は僕の話聞いてね」
穏やかに微笑みながら言っているように見えるけど残念ながら目が笑ってない。
こわ。
「ご、ごめんね涼くん!ちゃんと聞くからっ!!」
「……ばーか」
蒼介の暴言は莉都には聞こえなかったみたいだ。
「さて、じゃあ本題に入ろうか」
涼がこの場を仕切って話し始める。
「満月ちゃん。ここがどこか知ってる?」
「……?」
なぜ一番部外者の私に質問?
「学校の屋上?」
意味が分からないながらも一応答える。
……そして私はいたって真面目に答えたのに、莉都と涼は苦笑し、蒼介はおかしなものでも見るように私を見る。
私は珍獣か。
「やっぱり。みぃちゃんってボクたちのこと知らないんだね」
「何のこと?私と莉都って前に会ってたっけ?」
「いや、それはないけどね……」
「?」


