「……太陽」
「ん?」
どことなく、優しさを含むような声音。
そんな声で返されたら、甘えたくなってしまう。
「お願い……手、貸して?」
太陽は一瞬不思議そうにしたものの、スッと右手を差し出す。
その手をとって、私は自分の頬に当てた。
「あったかい……」
目を閉じて、太陽のぬくもりを感じる。
ねぇ、太陽。
私も今だけは、この明るく煌めく太陽の下で生きてもいいかな。
許されない罪を
たくさんの骸を
血塗られた十字架を
そんなものを背負った私も、光を浴びていてもいいのかな。
一瞬でも、許されるかな。夢を見ていいのかな。
しばらくそうしていると、車が止まったのを感じた。
もう、家に着いたのか……
「みつ、」
「太陽……」
そっと瞼を上げると、輝く金の髪と、宝石のような琥珀色の瞳が目に入った。
ごめんね、こんなに弱くて、不安定な私を見せて。
でも大丈夫。
明日からはまた、笑顔の、太陽の知る『満月』に戻るから。
微かに潤んでいるような視界の中、私はゆっくりと微笑した。
「……ありがとう」
そっと手を離して、素早く車から下りる。
後ろから呼ばれた気がしたけど、私は自分の部屋に入るまで、後ろを振り向かなかった。


