「……うん。分かったよ」
そう言うと、ひとまずホッとしたように音兄は息を吐く。
かな兄は渋い顔だけど、反対はしていないみたい。
「ありがと、2人共」
BCMは昔、かな兄と音兄から何もかもを奪った。
憎んでもおかしくない敵。にも関わらず、私のわがままを聞いてくれた。
本当に、感謝してもしたりないぐらい。
「私、そろそろ戻るね」
「あぁ」
「またメールするね」
「ふふ、待ってる」
そのまま理事長室を出ようとするけど、あ、と私は振り返った。
「ん?どした?」
疑問を浮かべているかな兄に、ニコ、と笑いかける。
「かな兄の猫姿、私や音兄がいるときだけ限定でなら、また見たいかも」
「…………」
パタン、と閉めた扉の向こうでかな兄が叫んでいるのが聞こえて。
私は1人、廊下で忍び笑いをこぼした。


